脳死、臓器提供、家族愛を題材にしたミステリー
離婚間近の夫婦に突然 ”娘が事故で脳死する” という残酷な現実が訪れる物語。最先端の医療技術で延命治療を行い、なんとか一緒に生活できるようになるが、意識は戻らず眠ったまま。
回復を祈り様々な治療を施しつつも、体に装着する機器の性能が上がり、機械仕掛けになっていく姿を見て「本当にこれで良いのか」と登場人物たちが悩む場面は読んでいて考えさせられます。
最初は娘をなんとか生かしたい親の気持ちに共感するのですが、周りの人たちの介入によってじわじわと母親の行き過ぎた愛情に気が付き、気味悪さを感じはじめた頃には、何が正解なのかわからなくなっていました。