「読むしかできない」とは?
好きな本を読むこと、出会うことに特化した、読書好きのためのイベントです。設置された読書部屋で1時間を1人で過ごすのですが、このイベントのわくわくポイントは参加者同士で行われる本の交換リレーです。前の参加者の方が残していったおすすめの本を、メッセージと共に受け取ることができるのです。誰かに選書したりされたりするなんて、とってもわくわくしますよね。
イベントを通して、新しい本との巡り合い、本が好きな人たちとのご縁が生まれました。こんな素敵なイベントを企画・運営してくださったAkaneさんには本当に感謝しかありません。
イベントの詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
(記事のリンクはAkaneさんに許可をいただいて掲載しております。)
悩みぬいた選書
私は遠方のため会場には足を運べず、郵送枠で参加しました。お相手の年齢も性別も、もちろん好きな本のジャンルもわからない中、(どんな本なら喜んでもらえるかなー)と色んな考えを巡らせながらの選書は本当に楽しかったです◎
悩みに悩んだ結果、最近自分が読んで面白かった一冊に決めました。お手紙を書くのも久しぶりで、かわいい便箋を求めて文房具店に。イベントに関係するすべてのことが楽しくて、いつか会場に行きたい!と思いました。
奇跡の巡り合わせ
そしてイベント開催から数日後、ついに私のもとにも選書本が到着。待ちに待った時だったので、ポストにこれを見つけた時は足が少し浮いたのではと思うくらいの高揚感でした。
私が受け取ったのは、芥川賞受賞作としても有名な宇佐見りんさんの「推し、燃ゆ」でした。前から気になっていた作品で、購入しようと思っていたからびっくり。同封されていたお手紙に本の帯に軽い破損があることのお詫びが記されていたのですが、ご自宅にあった一冊を譲っていただいたことが逆にお相手の方の存在を感じられて、あたたかい気持ちになりました。
さすが読書家の方なだけあって、手紙の内容も一つの物語のように綴られていました。実は私、3冊「推し、燃ゆ」を持っているんです。という一文から始まり、(どういうこと…?)と読み進めたら、まだ新品の「推し、燃ゆ」に旦那さんがお酒をこぼしてしまい、もう一度新しく買って帰ったら旦那さんも同じ本を購入してくれていた、という展開だったそうです。お送りした本にお酒はかかっていませんので、という締めくくりの言葉には思わず笑ってしまいました。
送り主様からの選書本とお手紙と一緒に、主催者のAkaneさんからもコーヒーのプレゼントとメッセージが同封されていました。お手紙や選書本を見る度にあたたかい気持ちが蘇ります。
広がってゆく本の世界
Akaneさんは選書本を郵送する際、わざわざSNSなどで読んだことのある本かどうかをできる範囲で確認して選んでいただいたとのこと。そのお心遣いにとても感動しました…!そして本当に本がお好きなんだなと、Akaneさん自身もイベントを心から楽しんでいる様子が伝わってきました。
イベントの様子は、Twitterで「#読むしかできない」と検索すると、参加した方のツイートが見つかります。私の選書本だけツイートが見当たらないな…と少し気になっていたのですが、Akaneさんより、私の選書した本の送り先は高校生で、SNSのアカウントを持っていないのでツイートができなかったという事情を教えていただき一安心。お父様が代わりにイベントに申し込んで参加した方だそうで、喜んでいた旨をご報告いただきました。ちなみに私がお届けした一冊は、ゲッターズ飯田さんの「運の鍛え方」です。多感な時期であろう高校生に、この本が何か助けになればいいなあと思います。
そしてさらに高ぶる出来事は続きます。なんと郵送枠での参加者に偶然にも私と同じ便せんを使用していた方がいらっしゃったのです。このことを知ったときは(似た趣味の方がいたんだ!)と、どきどきしたし、(もしかして同じお店で購入したのでは?)などという妄想も楽しみました。
大好きな本を通して、作品のすばらしさはもちろん、みなさんとの繋がりや心の豊かさと暖かみを感じることができて、気持ちがいっぱいになりました。当たり前なことなのに、同じ「本が好き!」という人が他にもたくさんいるんだと感じられたことが本当に嬉しかったです。作品を堪能するだけでなく、コミュニケーションのツールとして本を活用する、という新しい読書の楽しみ方も発見できました。参加できて本当によかったです。
9月、11月、1月と開催が継続していますので、ご興味のある方はぜひチェックしてみてください!きっと読書の世界がもっと広がると思います◎